そろそろ小学生~高校生の夏休みが見える季節になりました。
そこで旅行に行こうと考えられている人も多いはず。
ただし旅行に出費はつきもの、コロナで大打撃を受けた人には余計な支出は避けたいものです。
観光地等でパック旅行で組まれている旅先に向かわれる人は問題ありませんが、
私のようにマイナーな観光地を好む人はパックプランが無かったりしますし、
私のように田舎民では地元発のパックのプランがありません。
田舎では、都会と違って金券ショップで切符が売っていません。
そのため止む終えず、駅で運賃を払い、
電車を使って目的地まで移動するものの交通費が高くなりがちです。
関東圏ではsuicaで乗車すると安いそうですが、非関東圏ではそのような割引もありません。
そうはいっても、交通費に無駄金を使ってられません。
そこで無駄なく旅行するべく、本記事で紹介する切符の買い方を身に着けましょう!
またこの記事の手法は出張はもちろん、通勤定期も安くなります。
少しばかり自己責任要素を含むことになりますが、交通費の圧縮を試みましょう!
- 切符を分けて買うと最大36%OFFになるかも?!
- 但しゼロリスクじゃないよ
- 失敗してもめげないでね。
- 定期券も安くなるよ!
まずは論より証拠
例えば私が過去に旅行した例で、小倉→別府のパターンを見てみましょう。
本章で紹介する切符の買い方をしても、
目的地まで改札から出ること無く乗り続けることができるので、
小倉→別府まで乗り続けてOKです。
運賃については本記事作成時(2022/6/26)時点の価格設定です。
普通に切符を買った時
普通運賃:2,530円 (小倉→別府)
特急料金:1,800円
→合計4,330円
分割して切符を買った時
普通運賃:2,330円(-200円)
(小倉→小波瀬西工大前:480円)
(小波瀬西工大前→別府:1,850円)
特急料金:1,800円
→合計4,130円(-200円)
やり方
この買い方については、正直鉄オタしかしないような特殊な買い方です。
そのため、まずは買い方を勉強しましょう。
STEP1.Yahoo乗り換えを使ってルートと路線図を調べよう。




STEP2.JR各社のホームページで実際に乗る路線を調べよう。
Yahoo乗り換えでどのようなルートで電車になるかわかったはずです。
次にJR各社の路線図を除き、乗る路線が何線か確認しましょう。
JR各社のサイトは以下から参考にして下さい。
これらの路線図を見ながら、自分が乗ろうとしている路線が「〇〇線だ」と分かる必要があります。
ヤフー乗換案内と見比べて乗る路線を調べましょう。

この地図により、小倉→別府にいくルートは、以下の2つによって構成されていることが分かりました。
①鹿児島本線: 小倉→西小倉
②日豊本線: 西小倉→別府
この調査結果をもとに次の章で最適な切符の買い方を調べましょう。
STEP3.路線図を見ながら最安切符を探す。
私がよく使うのは以下のサイトです。
ここを使って最安の切符の分け方を探しましょう。
手順については以下に説明します。

[JRの会社名]_路線名 (路線の区間)のように書かれているので、
まずは以下の会社名で乗りたい路線を探しましょう。
JR北海道:北
JR東日本:東
JR東海: 海
JR西日本:西
JR九州: 九
JR四国: 四
前章より、今回のルートは、前章より「小倉→西小倉」+「西小倉→別府」であったため、
まずは小倉→西小倉と入力します。
前章より小倉駅は「JR九州」の「鹿児島本線」であることが分かったので、以下のように入力します。


次に「日豊本線」で「西小倉→別府」であったため、以下のように入力して送信を押します。
これを繰り返して目的地までのルートを入力できればOKです。

最後まで入力し終わると、ページ下部に以下のように表示されます。
この例で言えば、「小倉→小波瀬西工大前」「小波瀬西工大前→別府」の2枚に分けると安くなることが分かるわけです。

STEP4.切符を買ってみよう!
あとは、有人の窓口(みどりの窓口・切符売り場)にいって検索画面を見せながら、
このように買いたいと言うだけです。
ですが駅員によっては断られる場合もあり、一概に発行出来るとは言いづらいようです。
過去私がチャレンジした限りでは、北陸エリアの駅員には高確率で断られています。
他のエリアではまだ断られた事はないですが、断られた時は諦めて普通に切符を買いましょう。
JTB・近畿日本ツーリストなどでも切符の購入が可能であるため、旅行代理店で予め切符を購入しておくと購入の失敗を防げます。
切符を使う日を指定さえすれば、未来の日付でも買えますので、可能ならばこちらの方法がおすすめです。
STEP5.さあ電車に乗ろう!
あとは電車にのるだけです。
普通の切符と違うのは、改札の通り方です。
出発駅では1枚目の切符のみを自動改札に投入してください。
あとは電車に乗り、目的地の駅では全ての切符を改札に投入 or 駅員に渡すだけです。
途中の駅で電車から降りたり、改札から出たりする必要はありません。
定期券も安くしよう!
ここまで読み進めてみて気が付いた人も居るのではないでしょうか。
「これ……定期券も安くなるんじゃない?」っと……
結論としては安くなります!
但し定期券の区間・期間によって、安くなる分割方法が異なるため、ひと手間必要です。
今回の例として、さいたま市→東京勤務を想定し、ケーススタディとして計算してみましょう。
普通に6ヶ月定期を買った時
6ヶ月定期券:80,620円 (大宮→東京)
分割して6ヶ月定期を買った時
定期券:75,880円(-4,740円)
(大宮→蕨:31,620円)
(蕨→東京:44,260円)
やり方は簡単で、検索時に券種を「定期乗車券(通勤6箇月)」に変更するだけです。
あとは同様に分けるべき区間が自動計算されます。

たったこれだけの手間で年間で1万近い節約が可能になります。
ただしSuicaに登録できるのは2区間までだそうなので、分割しすぎないように注意しましょう。
3区間以上わける場合は、磁気定期✕3にするなどの工夫が必要だそです。
分割した切符を1枚のsuicaに纏められるという報告は以下参照です。
(私は定期券を分割したことがないので、この分野についてはあまり詳しくは分からずです……)
ところで、「2枚の定期券を持ち歩くのは面倒」という懸念もあるかもしれないが、これは「みどりの窓口」に申し出ることで、1枚の券面にまとめることができる。タッチ・アンド・ゴーの便利なSuicaにすることも可能。ただし分割が3区間以上に及ぶ場合、このサービスは利用できない。
https://bizspa.jp/post-221041/2/
デメリット
この手法には、私が知る限り以下4つデメリットがあります。
これらのデメリットに対して問題ないと考えるならば、是非実践しましょう。
それぞれの詳細はこの後で説明していきます。
分割切符のデメリット
・途中下車ができなくなる事が多い
・分割しすぎると自動改札通れない
・払い戻しに必要なお金が増える。
・電車が止まった時に、出発地点まで帰れない
途中下車ができなくなる事が多い。
一部例外はあるものの、原則として100km以上の切符は途中下車が可能です。
今回の手法では切符を分割してしまうため、100kmを割ってしまう事が往々にして起こりえます。
このため、東京→鹿児島の切符を買って、
名古屋と博多で一泊づつ遊ぶというような用途に使えません。
3枚以上に分割すると自動改札を通れないかも
在来線の古い自動改札は乗車券2枚+特急券まで、
新しい改札や、新幹線の場合でも乗車券3枚+特急券までしか受け入れる事ができません。
この枚数を超える時には有人改札で駅員に切符を提示すればOKです。
ただし友人と電車にのるときなどに奇異の目で見られる可能性があります。
もし心配ならば分割枚数を2枚までに制限するとよいでしょう。
切符の枚数分払い戻しに余分にお金が掛かる
JRの駅で購入した未使用のJR切符は1枚あたり220円(執筆時)で払い戻しができます。
(旅行代理店等で購入した切符は購入した代理店でのみ払い戻し可能)
この払い戻し処理は、切符の枚数分かかるため、
普通に切符を買った場合は1枚✕220円で済んでいたものが
複数枚✕220円になるため、払い戻し手数料が多くなるというデメリットがあります。
万が一電車が止まった時に、出発地点まで無料で戻れない
電車が事故等で運行できない場合の取り扱いについて、JR東日本は以下のように記されています。
出発駅へ無料でお戻りになることもできます。この場合は運賃・料金の全額をお返しします。
https://www.jreast.co.jp/kippu/24.html
ただしこれには注意が必要であり、出発地から目的までの移動が未成立の場合に限ります。
例えば東京→大阪の切符を購入し名古屋まできたが、京都で電車が止まったと仮定します。
普通に切符を買った時(切符:東京→大阪)
東京→大阪の移動が未成立となる。
そのため、名古屋→東京へ折り返すと全額返金+帰りの運賃は無料
「東京→名古屋」「名古屋→大阪」の2枚に分けた時
「東京→名古屋」の移動は成立済み、
「名古屋→大阪」の移動のみが未成立なのでこちらのみが払い戻し対象。
→「東京→名古屋」の分は返金されず、帰りの運賃を払う必要がある。
電車が止まる確率は低いものの、台風の接近などでギリギリの旅行を目論む時はリスクになります。
現地で宿泊する前提ならば問題ありませんが、引き返す可能性がある場合には辞めておきましょう。
なんでこんなことが起きるの?
この分割切符という購入方法はJRの運賃の穴をついたシステムです。
料金体系が著しく複雑で全てを説明しきれないですが、主に以下の2つによる影響が大きく作用しています。
特定区間
特定区間の範囲で切符を購入する場合には、競合他社と対抗するために割安な運賃が設定されています。
東京近郊エリア、大阪近郊エリアなど大都市圏においては競合となる私鉄と価格競争をするため、該当区間内で完結する切符については例外的に割安な運賃体系設定されています。
ただしその範囲外まで切符を購入すると通常の値段となってしまうため、この区間だけ分けて購入したほうが金額が下がるわけです。
国鉄時代のなごり、運賃の簡易計算
国鉄というJRの前身になった会社があります。
この時代のときには手軽に計算できるコンピュータが無かったため、
距離数を運賃表に照らし合わして切符の料金を計算していたそうです。
そのため、以下のように距離数から金額を算出するようになっています。
目的地間の距離を割り出し、表に照らし合わして運賃を計算していたそうです。


ただここで飛び飛びに価格があがっていくということはお気づきでしょうか?
これだけでピン来る人は相当頭がいいです。
これを1kmあたりの金額に換算すると以下のようなグラフを書くことができます。

これをもとに、この1kmあたりの値段に直すと、かなり適当に見えてくるのが分かるでしょうか。
距離によって割安だったり、割高だったりします。
例えば102km(1,980円)で電車に載ってしまうと割高な運賃になってしまうのですが、
これを78km(1,340円)と24km(420円)に分けると合計で1760円(-220円)という節約が可能なのです。
おわりに
最後に私からのまとめです。
・分割すると切符が安くなるかも? 電車に乗る前に計算してみよう
・定期券で節約すれば年1万円ぐらいはわりと節約できる。
・こんな計算が要らないようにJRは運賃分かりやすく改定してください><
マニアックな分割切符という世界は、如何だったでしょうか。
遠方への旅行や、日常の通勤など様々な場面で活用することができます。
いままで友人に話しても、ドン引きされたことしかありませんが、
知っているだけで活用できる知識です。今後の日常生活で活用できることを祈ってます。
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